会長挨拶

ご挨拶

「One Health」の概念やSDGsの背景理念が提唱するように、動物と人の良好なQOL、そして生態系の健全さは、直接的間接的な相互関連性を持っています。動物と人の良好なQOLを達成するために疾病予防がきわめて重要であることは言うまでもなく、そのために動物と人それぞれの分野で様々な介入方法が研究・開発され、試みられています。しかし、動物と人のインタラクションに着目し、両者のQOLを同時に向上させられるような介入方法の研究・開発するような試みは、未だ十分に為されていません。

伴侶動物や家畜など人と共に過ごす動物たちと、その飼い主である人は、相互に影響を与えあっています。動物のQOLを向上させるような行為を飼い主が実施し、そしてそれによって実際に動物のQOLが向上したと飼い主が感じることは、飼い主に幸せな気分や満足感・達成感をもたらし、飼い主のQOLを向上させます。逆に、動物の行為によって飼い主が喜ぶ(QOLが向上する)ことによっては、動物も喜んでいる(QOLが向上している)ように見えます。このような動物と人のインタラクションは予防医学とその関連分野の標的として新規性の高い領域であり、当該標的への新しい介入方法の研究・開発とその社会実装は高いニーズと学術的のみならず経済的な意義を有しています。

「動物と人の予防医学研究会」は、この点に着目し、多岐に渡る産官学民の関係分野の方々にアイデア・知識・経験・リソースを持ち寄っていただくプラットホームを提供し、動物と人のインタラクションを通じて双方のQOLを向上させる様々な角度からのイノベーティブな介入方法を見出し、その情報発信と社会実装を図ることを目指しています。また、ヒトのトクホや機能性表示食品などに相当する、動物用ウェルネスフードというカテゴリーとシステムの確立を目指しています。

此度、研究会は、アトラクティブなテーマの講演を用意して、記念すべき第1回学術集会を開催させていただくことになりました。また、学術集会の後には、情報交換会も設定させていただきました。

参加者のみなさまにおかれましては、情報交換や交流の場、また、将来の共同作業の端緒として利用していただければありがたく思います。

特に学生参加者や若手の参加者におかれましては、自らの将来を見据えて先輩から学び、また、先輩との縁を繋いでいただく機会にしていただければ倖です。

多くのみなさまとホットなディスカッションができることを楽しみにしています。よろしくお願い申し上げます。

末筆ながら、みなさまの御健康と御多幸、そして益々の御発展をお祈りいたします。

                              動物と人の予防医学研究会 理事長

                              第1回学術集会 会長

                                         中江 大

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